2007年9月定例市議会
 
認定第1号 平成18年度市川市一般会計・特別会計及び、公営企業会計決算の認定について

◎監査委員市川市決算意見書について
(1)18年度決算の財政力指数ならびに各種財政指数における改善傾向の評価と要因について

(2)経常収支比率の第3次財政健全化計画の最終目標値に対する主観的ならびに客観的評価について

(3)公債費比率・実質公債費比率について大きく改善されましたが、 この改善された評価と要因について

(4)自主財源額と自主財源構成比率、依存財源額と依存財源構成比率の評価について

(5)着実に健全化の方向が進んでおり、その努力は評価に値するものであると監査委員は審査意見をまとめていますが、その意見の具体的な裏づけについて

【質疑要旨】  平成18年度決算について、財政基盤が強化され、各種指数も改善され着実に健全化の方向に進んでいると審査意見がだされました。その努力については評価をいたしたい。今後も監査委員の出した審査意見に基づいて、その認識と将来見通しに基づいて一丸となって財政運営に当たるべきと考えます。このことから本市の財政状況について質疑をさせていただきました。

 (1)  財政力指数について17年度決算(単年度財政力指数)1.089で全国全都市順位777市中50位、類似都市28市では第1位の財政力指数でした。
18年度はさらにそれを上回る1.142となり、さらにトップクラスの順位が想定されます。そこで財政の健全化方向は着実に進み、各種財政指数の改善がさらに顕著になってる事の評価と要因について伺います。

(2)  経常収支比率について18年度は86.4%で前年度より0.2ポイント増となっています。第3次財政健全化計画での最終目標値は85%となっているが扶助費、物件費の増が続くため、目標達成にはさらなる努力が必要であると審査意見は指摘しています。そこで経常収支比率最終目標値85%に定めた理由と根拠について伺います。
経常収支比率は17年度86.20%で全国777市中165位、類似都市28市では7位でした。主観的には計画の最終目標値に達していない事実、客観的には全国、類似都市順位では中位から上位にある事実についてのご見解を伺います。

  (3)  公債費比率について前年度の8.6%を大きく改善し18年度は7.2%、全国777市中46位、類似28市中2位。実質公債費比率は前年度より1.6ポイント改善し8.8%、全国69位、類似28市中1位となっていることについてどのように評価するのかお伺いします。その他の指数についてはすべて全国777市、類似28市中上位からトップクラスである事は指摘をしておきます。
また、18年度の住民税は市民1人当たり70 , 252円、前年度は67,572円で全国777市中18位、類似都市では4位となっており、今年度はさらに上回っています。この住民税で本市財政がささえられているという事を、市民の皆様に感謝の念をもって指摘をしておきます。 

 (4)  18年度自主財源額856億395万4千円、自主財源構成比率72.6%、依存財源額は322億6千3百2万3千円、依存財源構成比率27.4%です。これは本市財政の特徴的体質と思われますがご所見を伺います。

 (5)  市債の残高について、本市が堅実財政の健全化を図ってきた結果、年々減少傾向にあるが、行政課題は山積をしています。将来債務を増やさない原則を踏まえ、必要な市債は発行して行政課題推進を図るべきではないでしょうか。
また、18年度決算を踏まえ、将来債務を増やさない前提でいくらまで 市債発行が可能かお答えください。

 (6)  自主財源比率72.6%、依存財源率27.4%と依存財源が極端に低く比、特に国庫支出金の割合は9.8%と極めて低くなっています。国庫補助対象事業について積極的に活用し、自主財源、依存財源の効果的バランスを図るべきではないでしょうか。
市民生活を踏まえて財政運営をすべきと考えますがご所見を伺います。

   
【答弁要旨】  
 (1)  平成18年度における主な財政指数を見ると、経常収支比率を除いて全て良化しているか適正な範囲内にあることから健全な状態と評価した。要因として過去に取り組んできた財政健全化計画による成果の現れと外的要因として三位一体改革税制改正等の影響による収入増も考えられる。

 (2)  経常収支比率が増となった要因では市税、地方譲与税など経常一般財源の増で3.2%改善しているが、退職手当、扶助費などの増で3.4%引き上げる事となり0.2ポイント悪化となった。
平成18年度決算において経常収支比率を1%引き下げるには歳入で約9億3千万の増、歳出では約7億9千万円減させなければならない。歳出においては扶助費・物件費の増等避けられない要因がある中、最終目標値達成には厳しい面があるが、見直しをさらに重ね努力するよう求めた。客観的評価としては平成17年度指数で見ると類似団体28市中7位となっており、他団体との比較の中では評価できるが、弾力性を確保するという財政構造の基本からすると充分とはいえないと考えている。

経常収支比率を85%に定めた理由と根拠については、この数値の性格上、地方自治体ごとに目標とすべき数値は当然異なってくるが、今日都市部においては80から85%程度を目標にしている所が多い。本市では経常一般財源の15%は投資的経費として是非必の目標を85%とした。

 (3)  公債費比率については適正水準の10%以下を目指しているが年々低下しており、平成15年度以来適正な水準を維持している。
18年度で良化した要因としては、将来債務を累積させないよう計画的に市債の活用を図ってきたこと、元利償還の年次進行による残高の減少、市債金利が高金利から低金利へ移行し利子負担が減少したことにあると思う。実質公債費比率は18%を超えると発行に許可が必要となるが、本市は8.8%である。公債費比率、実質公債費比率について適正な数値となっており、評価できるものとなっている。

 (4)  自主財源・依存財源については、18年度決算では自主財源約856億円で72.6%、依存財源約322億円で27.4%である。過去16年度に減税補填債の借り換えを行っているがこの額を除くと平成15年度以降同様の率で推移している。これは歳入に占める市税収入の割合が高いことによるものである。

  (5) 18年度決算を踏まえて将来債務を増やさない前提でいくらまで市債発行が可能なのかについては、あくまで、特定の条件下におけるシュミレーションとした上で、試算内容は市債発行額を毎年度70億、80億、90億、100億の場合と4パターンシュミレーションを行った。
まず70億の場合は公債費比率は年々減少傾向にあるが、現債額はほぼ750億円前後で推移する。80億円の場合は、公債費比率は7 . 0%で推移し、現債額は13年間で100億程度累増する。
90億円の場合は、公債費比率8 . 0%程度で推移し、現債額は毎年度、10億円程度累積し、13年間で、200億円程度累増する。100億円の場合は、公債費比率9.0%程度となり、現債額は毎年度20億円程度増加し、13年間で300億円を超える累増額となる。このことから、毎年度の市債発行額は70億円程度であれば、将来債務を増やさず市債発行が可能と判断する。

 (6)  今後予想される財政需要の中には大規模事業が目白押しとなっている。これらの事業に対応するためには、財政指数の悪化は避けられず、国庫補助金、市債等依存財源に頼らざるを得ぬ状況となる。
そのためにも今はより健全な財政運営をい行、将来に備えた財政力を維持する必要があると考える。



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